一年前

ちょうど1年前の今日、私は青森市から約40㌔離れた弘前市までチャリを漕いだ。
あの日は良く晴れていた。
最高気温も25度はあっただろう。
午前7時半頃、自宅を出発。
国道7号をひたすら南下。
道中、聴くために用意したMDはアジカンイースタンなど。
初めはお気に入りの音楽と暖かい陽気のお蔭で、快調に飛ばす。
が、青森市を出ること数十分、辺りを見渡すと建物もなくなり右も左も山だらけ。
車道を走る車も心なしか少ないような気が。
もちろん、歩道を走るチャリなど皆無に等しい。
もしここでチャリのタイヤがパンクしたらもう終わりだ・・・。
突如として孤独感が襲ってくる。
途中、何度か引き返そうとも思った。
だがそれでは、ここまで来た意味がないため、とにかく足だけは前へと動かし続ける。
時間の経過と共に、気温も次第に上昇。
水分の補給と休憩を兼ね、コンビニに立ち寄ること3回。
浪岡町(当時)、常盤村藤崎町の2町1村を抜け、午後10時、ようやく弘前市内へ。
とはいえ、市街地まではまだ距離は長い。
午前11時過ぎ、弘前駅前に到着。
市内を適当に散策する。
正午を過ぎ、うだるような暑さが体力を奪う(あの時食べた“ガリガリ君”の味は忘れられない)。
この状態でこれから帰路に着くことを思うと、気が滅入ってくる。
気温も少し下がってきた午後4時半、青森市へ向け再び出発。
ここでも途中、コンビニに寄ること2回。
紫外線にやられた肌の火照りと、相次ぐ上り坂で疲労もピークに。
市街地の灯りが見えてきたのは、午後7時を回った頃。
自宅に続く観光通りに入り、ゴールはもう目の前。
しかし極度の疲労で、いつもなら軽やかに飛ばす道も果てしなく長い。
そして午後8時、自宅に到着。


所要時間は片道3時間半。
移動距離は片道40㌔、往復で80㌔。
弘前市内での移動も含めれば、あの日だけで100㌔近くになるだろう。
今考えてみても、我ながらよく行ったなと思う。
何か特別な目的があったわけでもないのに。


私はただ、己の限界に挑戦したかっただけなのだ。