中古道

確かにKTR氏の言う通り、私が購入するCDのほとんどは中古品です。
てか何だかんだ言って、かれこれ1年近くは新品のCDを買ってないからね(おそらく昨年8月、タワー@SHIMODAで買ったDickiesの1stが最後)。
自分でも少しびっくりよ。


で、そんな私が中古CDを買う際の基準が以下のとおり。
〜100円:激しい汚損等、製品によほどのダメージが無い限りは即購入(確率ほぼ10割)。興味本位で買うことも大いにあり。
101〜300円:知っているアーティストならもちろん、知らないアーティストでも気になればまず購入(確率8割)。ちなみにブックオフでよく買うのもこの価格帯(250円)。ただ250円以上の場合、作品のリリース時期と入手の難易度(他店でも簡単に見つかるか)などを考慮することも有り(確率7割)。
301〜500円:〜300円に比べれば購入の決定はややシビアに。考慮するのはやはりリリース時期と入手難易度。とはいえ、「これ、聴きたいなぁ」と思えばまず購入(確率6割)。ゲーム倉庫で買う際は大体500円のものが多い。
ちなみにこのラインまでであれば、欲しいと思うものは大体購入。
501円〜800円:購入決定はかなりシビアに(確率3割)。〜600円(例えば580円とか)であれば、感覚的には500円のものとさほど変わらないため、大概は購入。ただ800円となれば話は別で、かなりの思考を要する。時には店内で数十分悩むことも。ちなみに、これまで800円で買ったものの数は両手に余るくらいである。
801円〜:この価格帯だと、もはや900円も1500円も2000円も同じレベルに(確率1割未満)。廃盤や限定盤など入手困難な上、「どうしても聴きたい」という強い欲求のない限り、買うことはまずない。


と、ここまで書いて1つ気付いたのは、年を追う毎に、つまり音楽リスナー歴を重ねる毎に、年々中古盤の購入価格に対してシビアになっているということだ。
中学時代の私は、本当に聴きたい作品であれば定価3000円のアルバムの場合、2000円くらいまでなら出していた。
もっともその頃は、普通に新譜CDを定価で買っていた(それも発売日前後)し、時には、既に中古盤が出回っているものの、中古店で見つからなかった場合でも、あまり抵抗なく新品で購入していた。
今考えると我ながらありえない、とさえ思ってしまう。
では一体、いつからこのような買い方をするようになってしまったのだろうか、と考えてみるが、よくわからない。
よくわからないが、1つ言えるのは、その根底にある考え方、つまりは「CDを高値で買うなんぞ馬鹿らしい」というのは、おそらく高校時代に形作られたものではないか、と。


あれは、高校3年の5月だったろうか。
K市にある某中古店のスペシャルウィーク
何と店内の全商品の値引率が日を追う毎に上がり、最終日には何と9割引に(スタート時、既に5割引き)。
あまりの大盤振る舞いぶりに、てっきりもう店じまいなのかとさえ思ったほどだ(ちなみに現在も営業は続いてます)。
それはともかくとして、そのセール期間中、私は安価でCDを買えることの喜びをこれほどかというほどに味わった(最終日だけでも約30枚買ったからねw)。


もう1つ思い当たるのは、家電量販店、デン○ードーのジャンクCDコーナーの存在である。
ジャンクCDとはその名の通り、盤面に傷や汚れがあり店側でも動作保証しかねるという商品なのだが、そのジャンクCDは一律100円の値が付けられワゴンの中にぶち込まれているのだ。
ジャンク品とはいえ、CDが滅多な傷で音飛びしないことはわかっていた(実際、音飛びはほとんどなかったし、時には「なぜこれが?」というほど、盤の状態が良いものもあった)私は、ここぞとばかりにそのコーナーを漁った。
メジャーアーティストのあの名盤も、気鋭アーティストの気になる作品も、或いは他店であまり見かけないような中古市場価値の高い作品も、全てが100円。
まさに夢の空間だ(ちなみに最高の掘り出し物だったのが、発売から3週間しか経っていないYOSHII LOVINSONの『at the BLACK HOLE』で、DVD付き初回盤が盤質良好にも関わらずジャンクで何と100円)。
また同店は、ジャンク品の他にも、作品と価格(200円や300円)の組み合わせが普通ではまず有り得ないものが多々あり、これまでにかなり美味しい思いをさせて貰っている。


何が言いたいのかと言うと、こうした経験が、私に「CDは安価で買うもの」という概念を植えつけたのではないのだろうか、ということだ。
うん、きっとそうに違いない。
ちなみに、私にそうした考えを抱かせるきっかけとなった店は他にもあり、K市にあるブック○ーンもその1つである。
ここの店員は、メジャーアーティストの作品を除いては、その価値が全くわからないようで、邦楽であればマイナーなもの、洋楽であればコーナーの半数近くに300〜500円の値が付けられている(よって私は、帰省の度に必ずここを訪れるのだ)。


確かに、欲しいCDをそれなりの価格で買うのは音楽リスナーとしてごく当たり前の行為であり、むしろ私のように日々安物漁りを行うのは、リスナーのあり方としては邪道と言えるのかもしれない。
だが、そうした安価な中古CDの存在が悪かといえば、絶対にそんなことはない。
抵抗なく買える安価CDは時に、未知なる音楽との出会いをもたらしてくれることがある。
これは、音楽リスナーにとって実に嬉しいことではないか(ちなみに私にとってそれにあたるのが、くるりの『TEAM ROCK』。2001年末、前述のK市中古店で100円で購入)!
そして何より、思わぬ掘り出し物を探し当てたときの感動は、何にも変え難い。
そうしたわけで私は、今後も安値の中古盤漁りをやめることはないだろう。