晦日
2009年が終わると同時に、社会的にも個人的にも色々あった2000年代(ゼロ年代)も本日で終了。
10年前(1999年)というと、私は高校受験を控えた中学3年生だったわけで、それを考えると月日の流れを実感(当時はどんな音楽聴いてたっけなぁ・・・)。
人生においてもこれほど環境が変化(中学→高校→大学→社会人)した10年はないはず。
今年1年を振り返ると色々想うところはあるけど、「ま、それなりに充実はしていたかな」といったところ(事実、仕事に忙殺されたせいで時間の流れは早く感じたが)。
年始は盛岡出張にかこつけ(別に悪いことじゃない)何度か予定外の帰省もできたし、7月には仙台旅行、10月には長野旅行(いずれも職場の同期数名と)なんかも行ったし。
物凄い個人的なところで言うと、11月には親知らずを2本一気に抜いたり(抜いた当日はまともに食事できず…)。
来年も色々あるだろうけど、とりあえず病気と事故さえなければと思う次第。


で、そんな2009年が終わる前に恒例のやつを、というわけで、今年のリスナー生活をざっと総括。


■CD購入枚数:850枚 
(うち2009年リリース作品:5枚)
 ※1枚当たり単価…118.77円/アルバムのみ集計対象


■CDレンタル枚数:152枚
(うち2009年リリース作品:65枚)


所感をば。
まず購入枚数850枚は、購入記録をつけ始めた2006年以降で過去最高。
別に枚数が多ければ良いというものでは決して無い(ここは声を大にして言っておきます)けど、それだけ新たな音盤との出会いがあったのは単純に喜ばしいこと。
レンタル分(ここではレンタル店で有料で借りたもの以外も含む)と併せれば、延べ1002枚(!)もの作品に出会えたわけで(とはいえ、再レンタルやらCDでの買い直しやらあるため、全てが初聴というわけではないけど)。
この際、未聴CDが370枚超(本日12/31時点)という現状は置いとくとして(一般people的には「聴かないのになぜ買う?」と思うんだろうけど、これはもう一種の依存症みたいなものなので。ただ購入作品の名誉?のために言っておくと、手当たり次第に選んでいるわけでは決してないので)。


それから、昨年同様、私的年間トップ3+αを発表しておきます。
※お断り:新譜についてはレンタルが基本のため、邦盤からのみ選定。


第1位 般若『HANNYA』


【評】「毒」と「ユーモア」のバランスが絶妙(あのユーモラスなジャケット含め)。とにかくこの一言に尽きます。2008年の前作もなかなかの良作だったけど、リリックとトラック(様々なトラックメーカーを起用しつつ統一感もあり、何より完全に'09年の音として仕上げているのが流石!)の突き抜け具合でいうと、本作が断然上。ラップに関しても、これまではあの妙に演劇的(人を食ったような感じというか…わかるかな?)なフロウが魅力である一方、たまに過剰に響き過ぎる(要はクドい、ウザい)瞬間があったんだけど、本作ではそれが全てプラスの方向に作用している感じ(嫌〜な感じが全くしません。それどころか面白い場面の連続!)。UMBでの優勝というトピックもあったけど、それを置いてもこの勢いというかエネルギーに今触れないのは勿体無いと思わせる1枚。「ヒップホップイコールドラッグか?」(M14「いつでも」)のラインは今年初頭、某力士と世間を騒がせたあのラッパーに送りたいなぁ、なんて。


第2位 SEEDASEEDA


【評】各媒体の年間ベストでも高評価の通り、ヒップホップの枠に収まらない素晴らしい1枚。以前から個人的に(勝手に)抱いていた、所詮バイリンガルラップ、所詮ハスラーラップ…(つまりはこれらに対して良い印象を抱いていなかった)というフィルターもどうでも良いと思わせるほど、BACH LOGIC氏は相変わらず良い仕事をしてるし、客演陣のサポート(JAY'ED氏、2009年は大活躍でしたね)、キャラの立った楽曲群(今思うと『街風』から彼の作品に入ったのが間違いだった?)、その他諸々の要素が高い次元で1点に結実していて、気付くとつい再生ボタンを押してしまう感じ。さすが勢いのある人は違う(そういえば、引退宣言とかありましたね)というか、韻を踏んでようが踏んでまいが、もう理屈というより感覚で捻じ伏せられる感じ。ところでKTR氏も言ってたけど、曲中で出てくるあの高笑いというか「おどけ」というか、あれは何なんでしょ(流行ってるの)?


第3位 スチャダラパー『11』


【評】今年の年間ベスト3、別にヒップホップに限定したわけじゃありません。結果的に上位3枚を占めたのは、それだけ今年はヒップホップが良作だったということ。本作も良盤という意味では上位2作品と一緒なんだけど、違う点があるとすれば決して「新しさ」を売りにしていないという点。世相のあれやこれやをリスナー目線(ここ重要ね)で切り取ったリリックの鋭さは相変わらず(直近3作は特に冴えてる)だし、キャッチーだけど腰に来る太いビートを基調としたトラックもいつも通り(エレクトロに接近したM4とかはちょっとした変化?)。毎回リリースされれば躊躇無く必ずチェックする人達なんだけど、きちんとその期待に応えるベテラン(結成20周年だっけ?確か)の仕事ぶりに改めてリスペクト。あと、本作とは直接関係無いけど、彼らの2009年の著作『ヤングトラウマ』もなかなか面白かったです(普段あまり本を買うことも無い私に、薦めて下さった職場の派遣さんに感謝)。80年代のサブカルチャーに興味のある方は是非。



以下は次点(順不同)。


・COMA-CHI『Red Naked』
期待値以上というのがデカい。これも'09年の音と言えるでしょう。ラップだけじゃなく歌もグー。


Perfume『?』
さすがに前作ほどの衝撃はなかったけど、相変わらずプロデューサー氏の手堅いお仕事。来年が肝?


SPECIAL OTHERS『PB』
本作で評価が決定的になりました、私の中で。これからもついて行きます。


サカナクション『シンシロ』
この10年で散々やり尽くされてきた「打ち込みと生音の融合」だけど、この感じは「新しい」というか。


・KTR『THE ALBUM』
普通に良く聴いたので。これまで割と雑多だった作風をビートロックへ絞ったのはやはり大正解。


と、ここまで書いてきて1つ。
以前、この日記で予告していた「私的2000年代ベストアルバム」、これはまたいずれということで(意外に無理かと思っていた2009年ベストが選出できたので)。
ま、特に誰も楽しみにしていないと思うので、気が向いたらやります。


今年1年、どうもありがとうございました。
皆様、良いお年を。