剥離

TSUTAYAでレンタル落ちの中古CD(500円)を購入。
いつものように、聴く前にレンタルのシールをきれいさっぱり剥がしてしまおうと思い、セロテープを用意する(ちなみに私はこれまでずっと、レンタルのシールはきれいに剥がせないものだと思っていたのだが、昨年、それがセロテープを使って剥がせることに気づき、それからというもの、レンタル落ち商品のシールは大体剥がすようにしている)。
シール跡の上にセロテープを貼り、ゆっくりと剥がした次の瞬間、悲劇は起こった。
何とディスク表面のシール跡だけでなく、ディスクの記録面(即ち銀色の部分)まで剥がれてしまったのだ。
思わず、我が目を疑う私。
唖然として5秒程固まった(これ、まじで)後、剥がしたセロテープを見ると、そこにはディスクのレーベル面が。
一方のディスクはというと、記録面の剥がれた部分から、完全に向こうが透けて見えている。
もはやCDとして再生不可能であることは間違いないが、それでも僅かな望みを託し、コンポの中へ。
“NO DISC”の表示。
やはり、ディスクとしての認識すらされていないようだ。
絶望的な状況の中で、ふとあることを思いつく。
「そうだ、この剥がしたセロテープを、もう一度ディスクの剥がれた部分に貼り合わせてみれば…。」
藁にも縋る思いで、慎重に貼り合わせる。
修復したディスクを再びコンポの中へ。
やはり“NO DISC”の表示。
万事休す。
まあ冷静に考えれば、デジタルメディアであるCDが、そうしたアナログなやり方を受け入れるわけがないのだが(カセットテープなら一度テープが切れても接着すれば、再生が可能だけどね)。
ここで考えてみる。
そもそも、シールを剥がそうとした私が愚かだったのか。
いや、それは違う。
なぜなら、このようなことは初めてだからだ。
これまでも、何度も同じ方法でシールを剥がしてきたが、未だかつてディスクの記録面まで剥がれたことはない(ただ一度だけ、ディスクのレーベル面が剥がれたことはあるが)。
ということは、これは私に非があるのではなく、あのような表面膜の薄いディスクを製造したメーカー側に責任があるのだ。
絶対そうに違いない。
…と、いくら捲し立てたところで、駄目になったディスクが回復するわけではない。
あー、悔しい。
何より、一度も聴かずにディスクが逝ってしまったのが辛い。
せめてシールを剥がす前に、PCにバックアップでもとっておけば…なんて考えても、もはや後の祭りだしね。